朝食を食べ終わって、また昨日と同じようにラトセーヌの森に向かう。
あたしと翔太は普通の箒、晴人さんは籠付き箒に跨がって、その籠の中に姫が乗り込む。
「私も箒に乗れるのに、みんなで一緒に飛びたいのに、晴人がダメって言うの」
姫は恨めしそうに晴人さんを見つめる。
「箒で飛んでいる最中に姫が狙撃でもされたら危険ですし、守り切れない可能性もあります。籠の中の方がずっと安全ですから」
晴人さんにそう言われて姫は「分かっているわよ」とむくれた顔をする。
「分かってるのなら乗り込んでください」
「分かっているわ」
姫は乗り込みながら俯く。
「そんなことは、分かっているのよ。でも」
寂しそうな姫の呟きが聞こえて、思わず籠の中の姫の名前を呼ぶと姫はぱっと顔をあげて「何でもありませんわ」と微笑む。
何でもないなんて、そんなわけない。そう思って問いたかったけれど、「行きましょう」と翔太が言うのでできなかった。
それから一斉に呪文を唱える。魔方陣が回りだし、風が吹いた。地面を蹴るとふわりと宙に浮かぶ。
とまらない頭痛と耳鳴りにうなされながらも、それを表情にはでないように必死に押し殺して飛んだ。
体調が悪いせいか、いつになく魔力が安定しない。ふらつかないように箒を握りしめる。
いつもなら鳥になったように、風を感じて空を飛ぶのが楽しくて仕方ないのに。
今は楽しさなんて感じる余裕もない。
「由良」
あたしと翔太は普通の箒、晴人さんは籠付き箒に跨がって、その籠の中に姫が乗り込む。
「私も箒に乗れるのに、みんなで一緒に飛びたいのに、晴人がダメって言うの」
姫は恨めしそうに晴人さんを見つめる。
「箒で飛んでいる最中に姫が狙撃でもされたら危険ですし、守り切れない可能性もあります。籠の中の方がずっと安全ですから」
晴人さんにそう言われて姫は「分かっているわよ」とむくれた顔をする。
「分かってるのなら乗り込んでください」
「分かっているわ」
姫は乗り込みながら俯く。
「そんなことは、分かっているのよ。でも」
寂しそうな姫の呟きが聞こえて、思わず籠の中の姫の名前を呼ぶと姫はぱっと顔をあげて「何でもありませんわ」と微笑む。
何でもないなんて、そんなわけない。そう思って問いたかったけれど、「行きましょう」と翔太が言うのでできなかった。
それから一斉に呪文を唱える。魔方陣が回りだし、風が吹いた。地面を蹴るとふわりと宙に浮かぶ。
とまらない頭痛と耳鳴りにうなされながらも、それを表情にはでないように必死に押し殺して飛んだ。
体調が悪いせいか、いつになく魔力が安定しない。ふらつかないように箒を握りしめる。
いつもなら鳥になったように、風を感じて空を飛ぶのが楽しくて仕方ないのに。
今は楽しさなんて感じる余裕もない。
「由良」



