「そうなんですか!」
まさか同業者だとは思いもしなかった。
城勤めでも位の高い姫の側役を務める人ならその家柄もきっと立派で、きっと代々王族に仕えるのだろうと思ったのに。
「どこの魔物退治屋なんです?」
「"サファイア"です」
「…"サファイア"?」
まさかその名が出てくるとは思いもしなかった。
それに翔太はそんなこと一言も言わなかった。
仲間思いの翔太のことだ、もし隊員の兄が城に勤めていてばったり会ったら挨拶ぐらいはするだろうに。
気づかなかった?今日はたまたま挨拶しなかった?
いや、それは違うような。
「…弟さんの名前をお聞きしても?」
晴人さんは大きく深呼吸をして、それから真っ直ぐ目を見据えて言った。
「柏木翔太です」
耳を疑った。
それは私のいちばん大切な人の名前だった。
「……由良様?」
「あっ、はっ、はい、すいません!」
驚きのあまり反応が遅れていると「いえ、無理もないです」と眉を下げて晴人さんは笑った。
「あの"サファイア"の当主が弟だなんて、想像もしないですよね」
その言葉がその通りで、あたしは頷いてしまった。
まさか同業者だとは思いもしなかった。
城勤めでも位の高い姫の側役を務める人ならその家柄もきっと立派で、きっと代々王族に仕えるのだろうと思ったのに。
「どこの魔物退治屋なんです?」
「"サファイア"です」
「…"サファイア"?」
まさかその名が出てくるとは思いもしなかった。
それに翔太はそんなこと一言も言わなかった。
仲間思いの翔太のことだ、もし隊員の兄が城に勤めていてばったり会ったら挨拶ぐらいはするだろうに。
気づかなかった?今日はたまたま挨拶しなかった?
いや、それは違うような。
「…弟さんの名前をお聞きしても?」
晴人さんは大きく深呼吸をして、それから真っ直ぐ目を見据えて言った。
「柏木翔太です」
耳を疑った。
それは私のいちばん大切な人の名前だった。
「……由良様?」
「あっ、はっ、はい、すいません!」
驚きのあまり反応が遅れていると「いえ、無理もないです」と眉を下げて晴人さんは笑った。
「あの"サファイア"の当主が弟だなんて、想像もしないですよね」
その言葉がその通りで、あたしは頷いてしまった。



