ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】

不安な気持ちが胸をいっぱいにしていく。


翔太はかっこいい。

それは見た目だけじゃなくて、考え方も、行動も、全てがそうだ。

普段は仏頂面だしぶっきらぼうに見えるけど、だけど本当はすごく優しい。

そういうところがきっと女の子に好かれるところなんだろう。


翔太は高校時代も相当モテていた。

きっとあたしが眠ってしまっていた間だってすごくモテてたのだろう。

本人は絶対にそんなことを口にはしないけど。


それに、今翔太がいるのは大魔法大学。

世界中から集まった優秀な魔法使いたちが学びを深める場所。

どんな人がいるんだろう。

可愛い人、きれいな人、優しい人、楽しい人、頭のいい人、きっとどんな人もいるはずだ。


…あたしなんかよりずっと翔太にふさわしい人もいるかもしれない。


胸が痛くなった。

太陽は温かいのに、胸が痛くて仕方がなかった。


高校の数ヶ月を一緒に過ごしたからこそ、あれだけ楽しい日々だったからこそ、普段一緒にいられない辛さが身に染みる。

分かってるよ、そんなことを翔太には言ってはいけないって。

学生と"サファイア"の当主の両立で翔太が忙しいのも分かってるよ。

だから無理を言いたくないとも思っているんだよ。


だけど、気持ちをずっと押し込んで笑っているのも、やっぱり苦しいよ。