因みに今日ここにいるのはあたしだけではない。

大切な友達、海音寺美玲(かいおんじ みれい)と古城雅人(こじょう まさと)も一緒にレポートをしている。

だからこそ雅人の「課題終わんねえーよ!」「何を書けばいいんだよ!?」という悲痛な叫び声が時折聞こえてくるのだ。

ちょっとバカなところもある雅人だけど、彼も翔太と同じ大学に通っている。魔法歴史学科で、雅人の一族である星使いの歴史についての研究をしているそうだ。

星使いと魔法使いは同じように力を使うけど、根本的なところが違う。

魔法使いは自分の魔力を使うけれど、星使いは惑星の力を借りて力を使う。その能力は雅人の血族しかその力を使うこと認められていない、とっても貴重なものだ。

そんな雅人に「うるさい!黙って問題解きなさいよ!」と怒号を飛ばしている美玲は雅人の彼女。

二人とは違って、国立大魔法医科大学の魔法薬学部に通っている。

美玲の家は魔法薬屋の最大手、海音寺グループ。彼女もいつか自分の家を継ぐために実家を手伝いながら日々薬学の勉強をしている。

その懸命な姿を見ていると、あたしも頑張ろうって思えるんだ。

美玲も課題が大変だと遠い目をしていた。いつもは綺麗に梳かされている軽いウェーブのセミロングがボサボサになるくらいは大変なことが伝わってきた。

みんなはこの春から大学1年生で、大変そうだけどどこか楽しそうでもあった。

きっとそれぞれのところで一生懸命頑張ってる。

新しい友達と新しい環境で。

でもみんな美形だから大変だろうな、とふと思った。


翔太なんて入学してから何人に声をかけられているんだろう。