「じゃあ手を離そうか」
手を離そうと力を弱めるのであたしは慌てて「ダメ!」と強く握った。
「じゃあ黙って城に行くぞ」と溜め息混じりに言った。
「…王城の手前までな」
「うん!」
あたしは嬉しくなって「ありがとう」と翔太の方を見たのだけど、翔太はそっぽを向いていた。
どうしてだろうと顔をのぞき込もうとすると「見るな、ばか」だって。
「ばかじゃないもん!」
「どうだかな」
「ふんだ、翔太なんて嫌い!」
「嫌いって言うな」
傷つくだろうが、と翔太は言うのでしめたと思いニヤついた顔をして見せた。
「嫌い、嫌い、嫌い!」
「俺は好きだけど」
「あたしだって好きだもん!あたしの方が好きだもん!」
「好きなのか嫌いなのかどっちだよ。意味分からない。お前ほんとばかだな」
翔太は溜め息を吐いた。
「だからばかじゃないって言ってるでしょー!」
ああだこうだと言い合いを続ける中、手だけは離さなかった。
やがて城が見えてくるとどちらからともなく手を離して、守衛の人に挨拶をする。
「"サファイア"の翔太様と"ガーネット"の由良様ですね。お待ちしておりました」
守衛の人が頭を下げると同時に大きな門が重厚な音を立てて開く。
「お二方をご案内する者が中で待っております」
門をくぐるとそれはすぐに閉じた。
大きな城が目の前にどんと聳えている。
ああ、本当にお城に、依頼された場所に来たんだ。
「頑張ろうね」
「足引っ張るなよ」
「そっちこそ」
翔太の不敵な笑みを久しぶりに見た。
「背中預けるぞ」
「こっちもね。守ってあげるよ」
「それは俺の台詞だな」
握った拳をお互いに合わせる。
さあ、仕事開始だ。
手を離そうと力を弱めるのであたしは慌てて「ダメ!」と強く握った。
「じゃあ黙って城に行くぞ」と溜め息混じりに言った。
「…王城の手前までな」
「うん!」
あたしは嬉しくなって「ありがとう」と翔太の方を見たのだけど、翔太はそっぽを向いていた。
どうしてだろうと顔をのぞき込もうとすると「見るな、ばか」だって。
「ばかじゃないもん!」
「どうだかな」
「ふんだ、翔太なんて嫌い!」
「嫌いって言うな」
傷つくだろうが、と翔太は言うのでしめたと思いニヤついた顔をして見せた。
「嫌い、嫌い、嫌い!」
「俺は好きだけど」
「あたしだって好きだもん!あたしの方が好きだもん!」
「好きなのか嫌いなのかどっちだよ。意味分からない。お前ほんとばかだな」
翔太は溜め息を吐いた。
「だからばかじゃないって言ってるでしょー!」
ああだこうだと言い合いを続ける中、手だけは離さなかった。
やがて城が見えてくるとどちらからともなく手を離して、守衛の人に挨拶をする。
「"サファイア"の翔太様と"ガーネット"の由良様ですね。お待ちしておりました」
守衛の人が頭を下げると同時に大きな門が重厚な音を立てて開く。
「お二方をご案内する者が中で待っております」
門をくぐるとそれはすぐに閉じた。
大きな城が目の前にどんと聳えている。
ああ、本当にお城に、依頼された場所に来たんだ。
「頑張ろうね」
「足引っ張るなよ」
「そっちこそ」
翔太の不敵な笑みを久しぶりに見た。
「背中預けるぞ」
「こっちもね。守ってあげるよ」
「それは俺の台詞だな」
握った拳をお互いに合わせる。
さあ、仕事開始だ。



