ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】

「じゃあ手を離そうか」

手を離そうと力を弱めるのであたしは慌てて「ダメ!」と強く握った。

「じゃあ黙って城に行くぞ」と溜め息混じりに言った。


「…王城の手前までな」

「うん!」


あたしは嬉しくなって「ありがとう」と翔太の方を見たのだけど、翔太はそっぽを向いていた。

どうしてだろうと顔をのぞき込もうとすると「見るな、ばか」だって。


「ばかじゃないもん!」

「どうだかな」

「ふんだ、翔太なんて嫌い!」

「嫌いって言うな」

傷つくだろうが、と翔太は言うのでしめたと思いニヤついた顔をして見せた。

「嫌い、嫌い、嫌い!」

「俺は好きだけど」

「あたしだって好きだもん!あたしの方が好きだもん!」

「好きなのか嫌いなのかどっちだよ。意味分からない。お前ほんとばかだな」

翔太は溜め息を吐いた。

「だからばかじゃないって言ってるでしょー!」

ああだこうだと言い合いを続ける中、手だけは離さなかった。

やがて城が見えてくるとどちらからともなく手を離して、守衛の人に挨拶をする。


「"サファイア"の翔太様と"ガーネット"の由良様ですね。お待ちしておりました」

守衛の人が頭を下げると同時に大きな門が重厚な音を立てて開く。


「お二方をご案内する者が中で待っております」


門をくぐるとそれはすぐに閉じた。


大きな城が目の前にどんと聳えている。

ああ、本当にお城に、依頼された場所に来たんだ。


「頑張ろうね」

「足引っ張るなよ」

「そっちこそ」

翔太の不敵な笑みを久しぶりに見た。


「背中預けるぞ」

「こっちもね。守ってあげるよ」

「それは俺の台詞だな」


握った拳をお互いに合わせる。


さあ、仕事開始だ。