ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】

「魔法薬でも、そういうのはあるわ。材料を混ぜる順番によってできる魔法薬が違うの。

頭痛止めの薬なんかは材料を混ぜる順番を逆にしたら、頭痛になる薬になったりするのよね。

それで雅人は単位を落としかけたのよね」


雅人は「うるせえ!」だとかなんとか反論しようとしているが、それよりも早く翔太が言う。


「封印結界の順番をお前は知ってんのか?」


「多分。でも、分からない。確信はないし、証拠もない。本当にあってるのか、間違っているのかさえも……」


あたしは下を向いて拳を握る。

不安な気持ちだけが突っ走っていくような、足が地面にちゃんとついていないような感覚が全身を駆け巡る。

けど、そんなあたしの手を美玲が握る。


「由良、私達には頼れる物が今は由良しかいない。あなただけが頼りなのよ」

「そうだぞ由良。例え間違えだったとしても、俺達4人が揃ってるんだ、どうにかなるだろ? 俺達はあのソルテリッジのSC4。俺達がどれだけ強いか、お前がいちばん知ってるはずだ」


2人の言葉はいつも暖かくて元気が出る魔法みたい。

暗闇の中にいたとしても、いつもまっすぐ強く引っ張ってくれる。

翔太を見ると真っ直ぐな目で頷いた。

信じてる、そう言葉にしなくても強く強く伝わってくる。

この人達に応えたい。みんなが優しくしてくれた分、信じてくれた分、あたしもみんなにお返ししたい。守りたい。

ひとつ深呼吸をして、あたしは覚悟を決めると話し出した。


「昔からの歌、聞いたことあるよね。


北の祖先は海をもとめ

陽は沈み月が昇る

人と空が交わり

輝くは乙女の祈り、って」


雅人達はこの歌を「聞いたことはある」と言っていた。

子守歌としてうたわれることもあるくらい、この国の民にとっては馴染みの深い歌。静かで穏やかで、だけどどこか暗い。独特の雰囲気を持つこの曲は不思議と心から離れないんだ。


「でもこの歌って、歌詞の意味が分からないのよね。何を言いたいのか、伝えたいのかはっきりとしないんだもの」


美玲の言うとおりだった。

昔から伝わる歌の中には、歌詞の意味が分からないものもある。

大抵は何かを例えていたり、比喩にしていたりするのだけど、この歌だけは本当に分からなかった。

博識のお父様や千沙さんですら分からないと言っていた。