ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】

それを聞いた美玲は「まさか!?」と立ち上がって目を見開く。

翔太は静かに頷いて言葉を続けた。


「それから、もう一つ。小さい時に聞かされるおとぎ話には必ず教訓が含まれているらしい。

みんなに親切にしよう、だとか、仲間と協力して頑張ろう、だとかな。

それなら、たとえ魔界が出てくる話であっても、そこから何か教訓を伝えようとしているはずなんだ」


小さい頃に聞く話はいつもそうだ。

そこに確かなメッセージを受け取れるから、きっと繰り返し何度も話を聞く。

そうして物語から込められた意図を学ぶ。


「それなら、魔界の物語は何を伝えようとしているのかって思わない?」


あたしの問いかけにみんなは顔をあげた。


「魔界の魔物に喰われるだとか、魔物より強力な悪魔が街を襲うとか、魔界には危険な悪魔が住んでいるだとか、ただそうであるという事実だけが伝わっている。

その先どうなったか誰も知らない。物語は存在していない。

ならこの物語に何の意図が込められていると思う?」


雅人は考え込んだ。必死にその物語から読み取ろうとしているけれど「いいえ、違うわ」と真相がわかっているらしい美玲は厳しい表情で否定した。


「違うのよ。教訓を学ばせるためにこの物語は存在しているのではないわ。

この物語"そのもの"を学ばせるためにこの物語は存在しているのよ」


美玲の言葉に雅人はさらに混乱したらしかった。


「つまり、どういうことだ?」


それを聞いた美玲は「ああもう! どうして分からないのよ!」と憤慨した。