それはまるで心に落ちた暗い影が晴れて消えていくような感覚だった。
「…助けたい。2人を!」
ショワンウは開いていた口を更に大きく開ける。
雅人は美玲を庇うように抱きしめて目を瞑る。
お願いだから、届いて。
祈るように呪文を唱える。
「"ファイヤー"!」
この時を待っていたと言わんばかりに、杖先から炎が飛び出した。
今まで抑えられていた魔力が一気に流れ出すみたいに、弾かれるような炎がショワンウに向かって走って行く。
それは凄まじい勢いでショワンウにぶつかり、爆発にも似た衝撃が辺りを襲う。何も見えなくなるほどの砂埃に包まれた。
その砂埃が消えると、ショワンウはぐったりと大地に横たわっていた。
あたしの炎とショワンウの攻撃がぶつかった衝撃で、美玲が作ってくれたシールドは粉々に砕けてしまった。
「美玲、雅人!」
慌てて駆け寄ると、美玲も雅人も目を見開いていて何が起きたか分かっていない様子だった。
多少の怪我はあるものの、大事に至るような大きなものは見受けられない。そのことに少しほっとした。
美玲は目を見開いたまま、震える声であたしに言った。
「由良、さっきのって…まさか…」
丁度その時、「由良!」と呼びかけながら翔太が走ってやってきた。どうやら毒が切れて動けるようになったらしい。
「翔太…あたし…」
魔法が使えたよ、って言う前に、翔太はあたしを強く抱きしめた。
「…助けたい。2人を!」
ショワンウは開いていた口を更に大きく開ける。
雅人は美玲を庇うように抱きしめて目を瞑る。
お願いだから、届いて。
祈るように呪文を唱える。
「"ファイヤー"!」
この時を待っていたと言わんばかりに、杖先から炎が飛び出した。
今まで抑えられていた魔力が一気に流れ出すみたいに、弾かれるような炎がショワンウに向かって走って行く。
それは凄まじい勢いでショワンウにぶつかり、爆発にも似た衝撃が辺りを襲う。何も見えなくなるほどの砂埃に包まれた。
その砂埃が消えると、ショワンウはぐったりと大地に横たわっていた。
あたしの炎とショワンウの攻撃がぶつかった衝撃で、美玲が作ってくれたシールドは粉々に砕けてしまった。
「美玲、雅人!」
慌てて駆け寄ると、美玲も雅人も目を見開いていて何が起きたか分かっていない様子だった。
多少の怪我はあるものの、大事に至るような大きなものは見受けられない。そのことに少しほっとした。
美玲は目を見開いたまま、震える声であたしに言った。
「由良、さっきのって…まさか…」
丁度その時、「由良!」と呼びかけながら翔太が走ってやってきた。どうやら毒が切れて動けるようになったらしい。
「翔太…あたし…」
魔法が使えたよ、って言う前に、翔太はあたしを強く抱きしめた。



