ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】

「あれは姫の演技だ。どうしても振り向かせたい人がいるから、って」

「え?」

「どうやらヤキモチを焼かせたかったらしい。後からこっそり教えてくださった」


ポカンと、思わず口を開けてしまった。あまりにも予想外のことだった。


「じゃ、じゃあ、姫が翔太のことを好きだって態度をとっていたのは…」

「あれも演技だ。それ以上のことはなにもない」


その言葉を聞いて、またぽろぽろ涙がこぼれた。

姫は翔太を好きじゃない。

翔太も姫を好きじゃない。

浮気だって、していない。

気持ちが溶けていくように涙を流すあたしに「どんだけ泣くんだ」と翔太は呆れたように笑って涙を拭ってくれるけど、全部翔太のせいだった。




「俺が好きなのは、これからもずっと変わらない。

お前だけだ、由良。俺は由良が好きだ」



「うん、あたしも好き。ずっと翔太が好き」




あたしは自分で涙を拭うと笑ってみせた。



「もう、迷わない!」



翔太は一瞬目を見開いて、それから笑ってくれた。

ちょうどその時、美玲が悲鳴をあげた。

慌ててそちらに顔を向けると、美玲の作り出した緑の巨人が、ショワンウの攻撃によって吹き飛ばされてぼろぼろに砕けている。


「美玲!」


雅人が急いで助けようとするけど、ショワンウの攻撃の的になってしまっている。



「美玲、雅人!危ない!」