ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】

「ずっと一緒にいたのに、大事なのに、気付かなかったんだ。ふーん!やっぱり翔太って馬鹿だね!」


ちょっとした意地悪心からついそんなことを言ってしまうけど、翔太は珍しく反論せずに「ごめん」と謝った。


「今回のことでお前が俺のことを呆れたり嫌いになっても、俺はずっと由良が好きだ」



その言葉でまた涙がこぼれた。



「なんで、そんなに…あたしなんかが好きなの…」



きっとあたしより姫の方がずっと可愛い。きっと姫ならこんなに黒い感情を持ったりしない。意地の悪いことも考えたりしない。

それなのに、どうしてあたしなんかを好きになるの。

どうして呆れたり、嫌いになったりしないの。



「どうしてって言われても、好きだから好きなんだよ。どうしようもない」



翔太は溜め息を吐き出しながら「だいたい、考えてみろよ」と付け加えた。



「今まで散々大変なことがあったろ。ソルテリッジ事件も、お前が1年間眠り続けたことも、この前のヒュドラのことも。あんだけ大変なことを乗り越えて来たのに、今さら他の女に行くわけがねえだろ」


確かに、今まで色んなことがあった。

ううん、大変なことだらけだった。きっと他のカップルよりも多いかもしれない。

それでも一度も翔太と離れるなんて思ったことはなかった。


それは、翔太も同じだったの…?


「で、でも、姫は翔太のこと、運命の人だって…」


すると翔太は眉間に皺を寄せて「ああ、あれな」と説明してくれた。