翔太は黙ってあたしを見つめる。
「なんだ」
急かすわけでもなく、逸らすわけでもないその反応は真剣で、あたしはひとつ深呼吸をした。
それからあたしも翔太の目を見据える。
「あたし、翔太の隣にいていいのかな?」
声にした途端、ずっと押さえ込んでいた気持ちが溢れていくみたいに涙がこぼれた。
震える声は頼りなくて、だけどそれでも話し続けた。
「城に来て、姫に出会って、あたしなんかが翔太の隣にいてもいいのか、ずっと、ふ、不安だった」
姫はすごく魅力的な人だ。
美しくて気高くて、だけど決して人を見くびらない。少しお茶目なところもあって、笑顔も可愛らしい。
そんな姫が、翔太を「運命の人」だって言った。
翔太と姫が二人きりで話をしたこともあった。
苦しかった。
いくら仕事だと分かっていても、二人っきりになって話をしているのを見ているのは辛かった。
恋敵でもある姫を命懸けで守らないといけないことも心が痛んだ。
姫と友達になって姫の魅力を知れば知るほど、自分が翔太の隣に立つ資格があるのか自信を失った。
あたしが思っていることを翔太に伝えたら、嫌われるんじゃないかって、怖かった。
「いつ、捨てられるかなって、姫のところに行くのかなって、か、考えるだけで辛くて」
「なんだ」
急かすわけでもなく、逸らすわけでもないその反応は真剣で、あたしはひとつ深呼吸をした。
それからあたしも翔太の目を見据える。
「あたし、翔太の隣にいていいのかな?」
声にした途端、ずっと押さえ込んでいた気持ちが溢れていくみたいに涙がこぼれた。
震える声は頼りなくて、だけどそれでも話し続けた。
「城に来て、姫に出会って、あたしなんかが翔太の隣にいてもいいのか、ずっと、ふ、不安だった」
姫はすごく魅力的な人だ。
美しくて気高くて、だけど決して人を見くびらない。少しお茶目なところもあって、笑顔も可愛らしい。
そんな姫が、翔太を「運命の人」だって言った。
翔太と姫が二人きりで話をしたこともあった。
苦しかった。
いくら仕事だと分かっていても、二人っきりになって話をしているのを見ているのは辛かった。
恋敵でもある姫を命懸けで守らないといけないことも心が痛んだ。
姫と友達になって姫の魅力を知れば知るほど、自分が翔太の隣に立つ資格があるのか自信を失った。
あたしが思っていることを翔太に伝えたら、嫌われるんじゃないかって、怖かった。
「いつ、捨てられるかなって、姫のところに行くのかなって、か、考えるだけで辛くて」



