それから美玲は杖を掲げて叫ぶ。
「"グリーン・ジャイアント"!」
その声で地上に広がる魔方陣が白く光る。光と共に現れたのは、体が木や草でできた、雪だるまのような生き物、緑の巨人だった。
5メートルはあるかと思われるその緑の巨人は、美玲が得意とする魔法だった。
「あの青白い光に、辺りにできた水たまり。おそらくショワンウは水属性ね。それなら得意分野よ」
確かに水属性の魔物には美玲が得意とする木属性の魔法が効果的だ。
勝てると考えた美玲が杖を振ると緑の巨人はショワンウに向かって動きだす。
そして巨人は口を開けたかと思うと、そこから鋭い葉っぱをいくつも繰り出した。
攻撃は効いているらしく、ショワンウが苦しむ声が響く。
それを見て、いけると思ったらしい雅人が雷を纏ったままショワンウに向かって走った。
「美玲!雅人!」
けれどあたしの叫び声なんてまるで聞こえていないみたいに、2人はショワンウに立ち向かう。
シールドの中の安全地帯からただ見ていることしかできないのがもどかしいけれど、2人の行動は全てあたしのため。
あたしが翔太に言いたいことを言えるように時間を稼いでくれているんだ。
それはつまり、あたしがいつまでも言わないままだと、2人を余計に危険な目に合わせてしまうということ。
あたしは両の拳を握った。緊張で震えてしまわないように力を込める。
「あのね、翔太。
あたし、翔太にずっと言いたかったことがある」
「"グリーン・ジャイアント"!」
その声で地上に広がる魔方陣が白く光る。光と共に現れたのは、体が木や草でできた、雪だるまのような生き物、緑の巨人だった。
5メートルはあるかと思われるその緑の巨人は、美玲が得意とする魔法だった。
「あの青白い光に、辺りにできた水たまり。おそらくショワンウは水属性ね。それなら得意分野よ」
確かに水属性の魔物には美玲が得意とする木属性の魔法が効果的だ。
勝てると考えた美玲が杖を振ると緑の巨人はショワンウに向かって動きだす。
そして巨人は口を開けたかと思うと、そこから鋭い葉っぱをいくつも繰り出した。
攻撃は効いているらしく、ショワンウが苦しむ声が響く。
それを見て、いけると思ったらしい雅人が雷を纏ったままショワンウに向かって走った。
「美玲!雅人!」
けれどあたしの叫び声なんてまるで聞こえていないみたいに、2人はショワンウに立ち向かう。
シールドの中の安全地帯からただ見ていることしかできないのがもどかしいけれど、2人の行動は全てあたしのため。
あたしが翔太に言いたいことを言えるように時間を稼いでくれているんだ。
それはつまり、あたしがいつまでも言わないままだと、2人を余計に危険な目に合わせてしまうということ。
あたしは両の拳を握った。緊張で震えてしまわないように力を込める。
「あのね、翔太。
あたし、翔太にずっと言いたかったことがある」



