ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】

けれどやっぱり2人を危険な目に遭わせるなんてできない。

2人を止めようと声をかけたその時、ショワンウが唸り声をあげた。

ショワンウは大きなその口を開いて、その先に光を集めている。

冷や汗が背中を流れる。


この攻撃を食らったら、まずい。


ショワンウの攻撃を見るのは初めてだけど、それでもこの攻撃を受けたらだめだと本能が言っている。



「美玲!雅人!


避けて!!」



あたしが叫んだのと同時に、ショワンウの口から青白く光るエネルギーが飛んで来た。

それはまるで大砲みたいで、きっとまともに喰らえばひとたまりもない。

それなのに雅人も美玲も、杖を掲げたままその場から動こうとしない。

それどころか2人とも不敵な笑みを浮かべている。


「"シールド"!」


美玲の魔法が戦えないあたしと翔太を優しく包み込む。

同時に雅人はショワンウに向かって走り出した。


「うおぉぉぉおおお!」


そして右の拳に雷を纏わせてで殴る。

青白い光とぶつかって、辺り一面強い光と風に包まれた。


「はあ…はあ…これだけやって、相打ちかよ」


光が消えると「伝説は伊達じゃねーな」と雅人は肩で息をしながら笑った。

その乾いた笑いをする雅人が痛々しくて、けれど何もできないで守られている自分が悔しい。

でも雅人は「なんて顔してんだよ」と目を細める。


「これくらい、どうってことねーよ。

だろ? 美玲」


「ええ、そうね」と美玲も笑った。


「ここからよ!」