翔太の元に駆け寄って、妖艶に微笑む美玲を注意深く観察する。その手にある物が目に入って尋ねた。
「…美玲、それは、何?」
香水でも入っていそうな、可愛らしい薄ピンク色の小さなガラス瓶。
でもきっと中身は香水ではない。
直感で分かった。
「一時的に足の感覚を奪う魔法薬よ。大学での実験で鎮痛剤を作ろうとしたら偶然できたの。まあ、効果は一時的だけどね」
「ど…どうしてそんなものを翔太に使ったの!」
美玲の考えが分からない。すると美玲は「あなたのためよ、由良」と微笑む。
「言ったでしょう。
言いたいことをちゃんと翔太に言おうって。翔太に会いに行こうって話をしたじゃない。
そのために私も雅人もここにいるのよ」
確かにそうだった。
美玲達はあたしと一緒に魔物退治をしに来たわけではない。
そしてあたしが本当に言いたかったことは、ラトノスに魔物が出ることでもなかった。
本当に、本当に言いたかったのは、別のこと。
「まあ、由良達みたいに魔物退治が本職ではないから、伝説の聖獣相手に私達がどれくらい戦えるか分からないけどね。でも、そこらの魔法使いよりは強いわよ」
その言葉に雅人は「いいこと言うなあ、美玲!」と元気に笑う。
「お前が言いたいことを言えるだけの時間は稼いでやるよ、由良」
「美玲、雅人…」
2人は揃って笑顔で片目を閉じる。
それはまるで、大丈夫だと背中を押してくれているみたいだった。
「…美玲、それは、何?」
香水でも入っていそうな、可愛らしい薄ピンク色の小さなガラス瓶。
でもきっと中身は香水ではない。
直感で分かった。
「一時的に足の感覚を奪う魔法薬よ。大学での実験で鎮痛剤を作ろうとしたら偶然できたの。まあ、効果は一時的だけどね」
「ど…どうしてそんなものを翔太に使ったの!」
美玲の考えが分からない。すると美玲は「あなたのためよ、由良」と微笑む。
「言ったでしょう。
言いたいことをちゃんと翔太に言おうって。翔太に会いに行こうって話をしたじゃない。
そのために私も雅人もここにいるのよ」
確かにそうだった。
美玲達はあたしと一緒に魔物退治をしに来たわけではない。
そしてあたしが本当に言いたかったことは、ラトノスに魔物が出ることでもなかった。
本当に、本当に言いたかったのは、別のこと。
「まあ、由良達みたいに魔物退治が本職ではないから、伝説の聖獣相手に私達がどれくらい戦えるか分からないけどね。でも、そこらの魔法使いよりは強いわよ」
その言葉に雅人は「いいこと言うなあ、美玲!」と元気に笑う。
「お前が言いたいことを言えるだけの時間は稼いでやるよ、由良」
「美玲、雅人…」
2人は揃って笑顔で片目を閉じる。
それはまるで、大丈夫だと背中を押してくれているみたいだった。



