「んな怒んなくてもいいだろ?って、お前は何辛気くさい顔してんだよ!」
雅人は翔太の肩をバシバシと強く叩く。いつもなら怒ったり睨みつけたり反撃するはずの翔太だが、いつになく青い顔をして口元を手で覆っている
「何かあったの?」
さすがに可笑しいと気付いた美玲が声をかける。
「ずっと可笑しいと思ってた。なぜ今まで一度も解けなかった封印が今になって解けたのか。自然に解けたのか、それとも別の要因があるのか」
「別の要因?」
雅人は首を傾げているが、美玲は分かった様子で「それって」と目を見開いた。
「誰かが意図的に封印を解いた___ってこと!?」
予想していなかった答えに驚いた雅人は「じょ、冗談だろ?」と何とか笑い飛ばそうとする。
「だって、あの伝説級の聖獣の封印だぞ?それに今まで封印されていた場所も封印の解き方も、んなのどの歴史書にも書かれてないだろ!」
翔太はそれについて否定も肯定もしなかったが、「じゃあ、誰かが封印を解いたとする」と仮定で話を始めた。
「大事なのは、目的だ。
一体何のために聖獣を解き放ったのか。解き放つことで何を得られるのか」
「聖獣を見てみたかった、とか?」
美玲の言葉に「そんな可愛い理由があればいいんだがな」と翔太は苦い顔をする。
「もっと何かとんでもないことがあるかもしれない」
「何かってなによ」
「例えば…」
その時少し離れた岩陰の方で爆発が起こった。
砂煙が舞う中で、金属同士が擦れ合うような叫び声が聞こえてくる。
「どうやら、由良の考えが当たったらしいな」
煙が空気に解け視界が明瞭になると同時に、その声の主が姿を現す。
「黒い虎…ショワンウ」
一際高い岩の上で、ショワンウは叫び声をあげていた。
雅人は翔太の肩をバシバシと強く叩く。いつもなら怒ったり睨みつけたり反撃するはずの翔太だが、いつになく青い顔をして口元を手で覆っている
「何かあったの?」
さすがに可笑しいと気付いた美玲が声をかける。
「ずっと可笑しいと思ってた。なぜ今まで一度も解けなかった封印が今になって解けたのか。自然に解けたのか、それとも別の要因があるのか」
「別の要因?」
雅人は首を傾げているが、美玲は分かった様子で「それって」と目を見開いた。
「誰かが意図的に封印を解いた___ってこと!?」
予想していなかった答えに驚いた雅人は「じょ、冗談だろ?」と何とか笑い飛ばそうとする。
「だって、あの伝説級の聖獣の封印だぞ?それに今まで封印されていた場所も封印の解き方も、んなのどの歴史書にも書かれてないだろ!」
翔太はそれについて否定も肯定もしなかったが、「じゃあ、誰かが封印を解いたとする」と仮定で話を始めた。
「大事なのは、目的だ。
一体何のために聖獣を解き放ったのか。解き放つことで何を得られるのか」
「聖獣を見てみたかった、とか?」
美玲の言葉に「そんな可愛い理由があればいいんだがな」と翔太は苦い顔をする。
「もっと何かとんでもないことがあるかもしれない」
「何かってなによ」
「例えば…」
その時少し離れた岩陰の方で爆発が起こった。
砂煙が舞う中で、金属同士が擦れ合うような叫び声が聞こえてくる。
「どうやら、由良の考えが当たったらしいな」
煙が空気に解け視界が明瞭になると同時に、その声の主が姿を現す。
「黒い虎…ショワンウ」
一際高い岩の上で、ショワンウは叫び声をあげていた。



