「しかしなぜ、我々が指名されているのでしょう。民間の魔物退治屋を雇うのであるにしても、普通なら"ガーネット"か"サファイア"、どちらかを選ぶでしょう。それに、名指しなど、普通はありえない」
翔太の疑問にお父様は「その通りだ」と頷いた。
「なぜ二つの魔物退治屋からそれぞれ一名ずつ、由良はともかく、当主の翔太君まで名指しで指名されているのか、それがとても疑問に思うところだ。しかし__」
「しかし、依頼主は王城。下手に断ることも、変更することもできませんね」
「ああ、その通りなのだ」とお父様は溜息を吐いた。
「引き受けるしかないですね」
「なりません!」
志文さんは翔太の言葉に「なりません!」と強く否定した。
「志文、話を聞いていただろう」
翔太は決して強くはないけれど威圧感のある言葉遣いでそう言った。
「しかし!もし翔太様を失ってしまうようなことがあれば、我々は、"サファイア"は__」
志文さんの心配は最もだった。
もし翔太が、"サファイア"の現当主がいなくなってしまったら。
それは今の"サファイア"が抱えるとてつもない不安でもあった。
先代のソフィア様の時は、後継者の翔太がいた。
しかし今、翔太の他に"サファイア"を受け継げる人物は他にいない。決まっていないのだ。
それはつまり、"サファイア"の当主の座を巡る争いを引き起こす。
それは想像しただけで凄まじく恐ろしい。
翔太の疑問にお父様は「その通りだ」と頷いた。
「なぜ二つの魔物退治屋からそれぞれ一名ずつ、由良はともかく、当主の翔太君まで名指しで指名されているのか、それがとても疑問に思うところだ。しかし__」
「しかし、依頼主は王城。下手に断ることも、変更することもできませんね」
「ああ、その通りなのだ」とお父様は溜息を吐いた。
「引き受けるしかないですね」
「なりません!」
志文さんは翔太の言葉に「なりません!」と強く否定した。
「志文、話を聞いていただろう」
翔太は決して強くはないけれど威圧感のある言葉遣いでそう言った。
「しかし!もし翔太様を失ってしまうようなことがあれば、我々は、"サファイア"は__」
志文さんの心配は最もだった。
もし翔太が、"サファイア"の現当主がいなくなってしまったら。
それは今の"サファイア"が抱えるとてつもない不安でもあった。
先代のソフィア様の時は、後継者の翔太がいた。
しかし今、翔太の他に"サファイア"を受け継げる人物は他にいない。決まっていないのだ。
それはつまり、"サファイア"の当主の座を巡る争いを引き起こす。
それは想像しただけで凄まじく恐ろしい。



