とはいえ、だ。
「お、お父様?」
「なんだ」
「あのう、たったこれだけの手立てで、聖獣の出没場所から犯人の目的まで特定しろということですか?」
現状を振り返って考えるとなんという無茶難題だ。
ただでさえ魔力も使えないのに、こんなのできるわけない!
そう思っていると「ほう」とお父様は不気味に笑った。
「任務の途中に原因不明の魔力欠乏におちいった上、守護対象者を危険な目に遭わせ、魔力が一切回復しないポンコツ魔法使いにできることがこれの他にあると思っているのなら、ぜひとも教えてもらいたいものだな」
「それとも何か不満があるのか?」と鋭い目で見下ろされ、あたしは「何でもないです…」と言うしかなかった。
やっぱりお父様、恐ろしい…!
「そういえば、お前の現状を知って客人が来ている」
「客人?」
「お前の部屋に通した」
「あたしの部屋に?」
誰です、と問う前に「話は以上だ」と言われてしまって、たしは部屋を追い出された。
千沙さんの顔を見ても、どうやら千沙さんも分かっていないようだった。
千沙さんが城まで迎えに来てくれた間にやってきたのかもしれない。
それにしても直接あたしの部屋に通すなんて、一体誰なんだろう?
千沙さんと別れて自室に入ると、そこには二人の客人がいた。
「久しぶり、由良」
「お邪魔してるぞ」
あたしは目を見開いた。
「えっ、美玲、雅人?」
大切な友達が二人揃ってあたしの部屋にいた。



