「由良か」
執務机で仕事をしていたお父様は鋭い目であたしを見ていた。
その低い声に身が凍ってしまいそうだ。
「ただいま戻りま…」
「任務はまだ終わっていないはずだが?」
言い終わらないうちにお父様は言った。
「任務を遂行せず途中で放り投げてのこのこ戻ってくるとはな。"ガーネット"の誇りも忘れて、どの面下げて今この場に立っている?」
お父様が仰ることはその通りで、あたしはぐうの音も出なかった。
黙るあたしの代わりに千沙さんは「お言葉ですが、ご当主」と反論する。
「由良さんの任務は、姫の護衛、度重なる聖獣の封印など、通常の依頼とは難易度が格段に高い任務で__」
「だから何だ」
ぴしゃりとお父様は言い放った。
「これくらいの任務、次期当主であるお前ならこなせると思っていたのだがな。魔力を失いおめおめと引き下がるなど、失望させるな」
それからお父様は机の上の資料を見つめた。
いつも厳しいお父様だけど、失望したと言われたのは初めてだ。
「由良さん…」
千沙さんは苦しそうに俯くあたしを見つめる。
するとお父様は「だから、そういうしょげた顔をするな」と大きな溜め息を吐いた。
「言っただろう、まだ任務は終わっていないと」
あたしと千沙さんは顔を上げた。
「え…で、でも、魔力が…」
「何も敵と戦うのが護衛じゃない。魔力を使わずともできることがあるだろう」
執務机で仕事をしていたお父様は鋭い目であたしを見ていた。
その低い声に身が凍ってしまいそうだ。
「ただいま戻りま…」
「任務はまだ終わっていないはずだが?」
言い終わらないうちにお父様は言った。
「任務を遂行せず途中で放り投げてのこのこ戻ってくるとはな。"ガーネット"の誇りも忘れて、どの面下げて今この場に立っている?」
お父様が仰ることはその通りで、あたしはぐうの音も出なかった。
黙るあたしの代わりに千沙さんは「お言葉ですが、ご当主」と反論する。
「由良さんの任務は、姫の護衛、度重なる聖獣の封印など、通常の依頼とは難易度が格段に高い任務で__」
「だから何だ」
ぴしゃりとお父様は言い放った。
「これくらいの任務、次期当主であるお前ならこなせると思っていたのだがな。魔力を失いおめおめと引き下がるなど、失望させるな」
それからお父様は机の上の資料を見つめた。
いつも厳しいお父様だけど、失望したと言われたのは初めてだ。
「由良さん…」
千沙さんは苦しそうに俯くあたしを見つめる。
するとお父様は「だから、そういうしょげた顔をするな」と大きな溜め息を吐いた。
「言っただろう、まだ任務は終わっていないと」
あたしと千沙さんは顔を上げた。
「え…で、でも、魔力が…」
「何も敵と戦うのが護衛じゃない。魔力を使わずともできることがあるだろう」



