ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】

それから屋敷の中を案内され、応接室に入る。

「し、失礼します」

"サファイア"の当主が使用する応接室に入るのは初めてだった。

おそらく今までの歴代の当主達が使ってきたのだろう、部屋に置かれているものはどれも重厚感漂う高価なものばかりで、シンプルなデザインを好む翔太の趣味とはかけ離れている。

「どうぞ、おかけください」

翔太に言われて、あたしとお父様は翔太の向かいのソファーに腰を掛ける。お父様の後ろには千沙さんが、翔太の後ろには志文さんが控えている。

するとメイドさんが紅茶を持ってきてくれた。

「ありがとう」

お父様はメイドさんに感謝を述べ、メイドさんが出て行ったところでお父様が「急にすまないな」ともう一度謝った。

「だが、時間はない。早く話さねばならないと思ったのだ」

翔太は「どうかなさったのですか」と緊張した表情で尋ねた。

「そちらにも知らせは届いているのではないか?」

「知らせ?」

翔太は分からない、という表情を見せたが、すぐに「まさか、これのことですか?」と手に持っていた手紙を見せた。

「まだ聞いてはいないのだな」

「ええ、先ほどこの手紙を受け取ったばかりです。差出人の名前は分かっているのですが…」

「そうか」とお父様は腕を組み「では、それを先に確認された方が話が分かりやすいだろう」と言った。