それから屋敷の中を案内され、応接室に入る。
「し、失礼します」
"サファイア"の当主が使用する応接室に入るのは初めてだった。
おそらく今までの歴代の当主達が使ってきたのだろう、部屋に置かれているものはどれも重厚感漂う高価なものばかりで、シンプルなデザインを好む翔太の趣味とはかけ離れている。
「どうぞ、おかけください」
翔太に言われて、あたしとお父様は翔太の向かいのソファーに腰を掛ける。お父様の後ろには千沙さんが、翔太の後ろには志文さんが控えている。
するとメイドさんが紅茶を持ってきてくれた。
「ありがとう」
お父様はメイドさんに感謝を述べ、メイドさんが出て行ったところでお父様が「急にすまないな」ともう一度謝った。
「だが、時間はない。早く話さねばならないと思ったのだ」
翔太は「どうかなさったのですか」と緊張した表情で尋ねた。
「そちらにも知らせは届いているのではないか?」
「知らせ?」
翔太は分からない、という表情を見せたが、すぐに「まさか、これのことですか?」と手に持っていた手紙を見せた。
「まだ聞いてはいないのだな」
「ええ、先ほどこの手紙を受け取ったばかりです。差出人の名前は分かっているのですが…」
「そうか」とお父様は腕を組み「では、それを先に確認された方が話が分かりやすいだろう」と言った。
「し、失礼します」
"サファイア"の当主が使用する応接室に入るのは初めてだった。
おそらく今までの歴代の当主達が使ってきたのだろう、部屋に置かれているものはどれも重厚感漂う高価なものばかりで、シンプルなデザインを好む翔太の趣味とはかけ離れている。
「どうぞ、おかけください」
翔太に言われて、あたしとお父様は翔太の向かいのソファーに腰を掛ける。お父様の後ろには千沙さんが、翔太の後ろには志文さんが控えている。
するとメイドさんが紅茶を持ってきてくれた。
「ありがとう」
お父様はメイドさんに感謝を述べ、メイドさんが出て行ったところでお父様が「急にすまないな」ともう一度謝った。
「だが、時間はない。早く話さねばならないと思ったのだ」
翔太は「どうかなさったのですか」と緊張した表情で尋ねた。
「そちらにも知らせは届いているのではないか?」
「知らせ?」
翔太は分からない、という表情を見せたが、すぐに「まさか、これのことですか?」と手に持っていた手紙を見せた。
「まだ聞いてはいないのだな」
「ええ、先ほどこの手紙を受け取ったばかりです。差出人の名前は分かっているのですが…」
「そうか」とお父様は腕を組み「では、それを先に確認された方が話が分かりやすいだろう」と言った。



