ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】

「すまないな、感謝する」

「で、では、応接間へ＿＿」

志文さんがそう案内するが、「何をぼさっとしている」とお父様はあたしを見て言った。

「へ？」

「お前も来い」

「ええっ！？」

あたしまで呼ばれるの？

驚きを隠せず自分を指さして確認するけれど「いいから早く」とお父様はいらだちをあらわにした。

「す、すみません」

あたしが慌てて駆け寄ると、お父様は美玲と雅人の方を見て「由良のご友人ですね」と丁寧な口調でそう尋ねた。

「え、ええ」

美玲は笑みを張り付け、雅人は緊張で頷くことしかできないようで何度も高速で頷くばかりだった。

「せっかくの時間を台無しにしてしまい、申し訳ない」

「い、いえ」

「どうかこれからも由良と仲良くしてやってください」

それから一礼すると志文さんに連れられてその場を後にした。

あたしはお父様の後を歩きながら振り返って美玲と雅人の方を見る。

せっかく久しぶりに会えたのにこんな別れ方になってしまって申し訳ない。2人もきっと残念に思ってるだろう。

しかし二人はあたしの予想とは全く違って「頑張れ」と笑顔で応援してくれていた。

その表情が嬉しくてなおさら頑張ろうと思った。