それからは姫の要望で街を出歩くことにした。
「わたくし、聞いたことがございますの!城下町では食べ物を食べながら歩くのがとても楽しいと!」
まるで子どものようにはしゃぐ姫は、いつもの凛とした姿からはほど遠い。けれど年相応の可愛らしさだと思った。
「食べ物も売っているマルシェが近くにあるようです。行ってみましょうか?」
すると姫は満面の笑みで頷いた。
人混みの多いところでは迷子になってはいけないと、手を繋いで歩く。
年の近い女の子と手を繋ぐなんて、美玲くらいだと思っていた。まさか姫と手を繋ぐ日が来るなんて夢にも思っていなかった。
マルシェにつくと、やはり多くの人でごった返していた。
姫は人目につかぬよう、どこからか用意した市民の服とつばの広い帽子をかぶった。
あたしは私服に着替えればよいので比較的簡単だけど、それでもいつ誰が姫を狙うかもわからないため警戒は怠らない。
「あたしの友達が前に言っていました。ガレットを食べながら街を見て歩くのが面白いのだと」
「ガレット!?」
姫は目を輝かせた。口では言わないものの、食べてみたいと目が語っている。
その様子がとても可愛らしくて「よかったら食べていきませんか?」とあたしは誘う。
「ぜひ!」
姫が即答したのが面白くて、あたし達は笑い合いながらガレットの天幕を探した。
「焼きたてのガレットはいらんかねー!」
大声でそう呼び込みをしているおじさんをみつけて、あたし達は「すいません、ガレットください」と駆け寄った。
「わたくし、聞いたことがございますの!城下町では食べ物を食べながら歩くのがとても楽しいと!」
まるで子どものようにはしゃぐ姫は、いつもの凛とした姿からはほど遠い。けれど年相応の可愛らしさだと思った。
「食べ物も売っているマルシェが近くにあるようです。行ってみましょうか?」
すると姫は満面の笑みで頷いた。
人混みの多いところでは迷子になってはいけないと、手を繋いで歩く。
年の近い女の子と手を繋ぐなんて、美玲くらいだと思っていた。まさか姫と手を繋ぐ日が来るなんて夢にも思っていなかった。
マルシェにつくと、やはり多くの人でごった返していた。
姫は人目につかぬよう、どこからか用意した市民の服とつばの広い帽子をかぶった。
あたしは私服に着替えればよいので比較的簡単だけど、それでもいつ誰が姫を狙うかもわからないため警戒は怠らない。
「あたしの友達が前に言っていました。ガレットを食べながら街を見て歩くのが面白いのだと」
「ガレット!?」
姫は目を輝かせた。口では言わないものの、食べてみたいと目が語っている。
その様子がとても可愛らしくて「よかったら食べていきませんか?」とあたしは誘う。
「ぜひ!」
姫が即答したのが面白くて、あたし達は笑い合いながらガレットの天幕を探した。
「焼きたてのガレットはいらんかねー!」
大声でそう呼び込みをしているおじさんをみつけて、あたし達は「すいません、ガレットください」と駆け寄った。



