すると姫は「今だからですわ」と仰られた。
「今しかありません」
姫の表情は打って変わって凛としたものになった。何かを決意したような、そんな表情だ。
「もし聖獣が解放されたことによって街に変化が起きて、街がもっと危険になれば、私はもう二度と街には出掛けられないでしょう。
街どころか城にしかいられなくなる。この命が消えるかもしれない。
だから今しかなかったのです」
やはり姫は聡い方だった。
姫はこの先のことを考えた上で行動している。危険なことを承知の上で行動しているのだ。
「それに、今の城には貴女がいますから」
「え、あたし、ですか?」
姫はにっこり頷いた。
「ずっと憧れていました。城下町に出掛けること。それも大切な友人と一緒に。
気心知れた友人と他愛もない話をして街を巡ることができたら、どんなに幸せだろうって」
姫が語る理想はいつも輝いて見える。
それは理想が純粋だからということもあるけど、姫の目が輝いているからだ。
嬉しそうな顔をして語るその表情はいつまでも見ていたくなるものだった。
「きっとこの先、何度だってどこにだって行けますよ」
あたしは笑って見せた。
「あたし達は友達なんですから」
姫は驚いたような顔をしてそれから嬉しそうに笑った。
「それは楽しみですわ」
心の底から嬉しそうな顔だった。
「今しかありません」
姫の表情は打って変わって凛としたものになった。何かを決意したような、そんな表情だ。
「もし聖獣が解放されたことによって街に変化が起きて、街がもっと危険になれば、私はもう二度と街には出掛けられないでしょう。
街どころか城にしかいられなくなる。この命が消えるかもしれない。
だから今しかなかったのです」
やはり姫は聡い方だった。
姫はこの先のことを考えた上で行動している。危険なことを承知の上で行動しているのだ。
「それに、今の城には貴女がいますから」
「え、あたし、ですか?」
姫はにっこり頷いた。
「ずっと憧れていました。城下町に出掛けること。それも大切な友人と一緒に。
気心知れた友人と他愛もない話をして街を巡ることができたら、どんなに幸せだろうって」
姫が語る理想はいつも輝いて見える。
それは理想が純粋だからということもあるけど、姫の目が輝いているからだ。
嬉しそうな顔をして語るその表情はいつまでも見ていたくなるものだった。
「きっとこの先、何度だってどこにだって行けますよ」
あたしは笑って見せた。
「あたし達は友達なんですから」
姫は驚いたような顔をしてそれから嬉しそうに笑った。
「それは楽しみですわ」
心の底から嬉しそうな顔だった。



