「くれぐれも、くれぐれも気をつけてくださいよ!用心には用心を…」
「晴人、流石にそれ以上はくどいわよ!」
「そうは仰いますが、姫、それでも用心をすることには意義がございます!
ご自身のお立場をよくお考えになってください!もし貴女様が危険な目に遭うようなことがあったら…」
くどくどと続ける晴人さんと、その言いつけをうんざりとした表情で聞き続ける姫との攻防戦を隣で微笑ましく見ていると、「おい」と翔太に呼ばれた。
「お前も気をつけろよ。いつどこに聖獣が現れてもおかしくねえんだ」
翔太はそっぽを向いたままだった。どうやらまだ怒っているらしい。
「分かってる」とあたしが言えば、翔太は溜め息を吐いた。苛立っているときの翔太の癖だ、高校生の頃から変わらない。
「分かってるんだかどうなんだか」と呟きながら、翔太は胸ポケットから何かを取り出してあたしにその拳を向けた。
「いいか、由良。最優先事項は姫の安全だ。命の危機を感じるような危険な真似はすんなよ」
「うん」
「姫の身を守れよ。お前自身も」
翔太は真っ直ぐな目をしていた。
『姫の身を守れよ。お前自身も』
それって、翔太だけじゃなくて、あたしも、頑張って姫を危険から守れってこと?
わざわざ別れ際に言うほど心配してるってこと?
姫のことを?
モヤモヤした黒い気持ちが心を満たそうとするから、あたしは深呼吸してそれを追い出すと私的な感情は抑えつけた。
「晴人、流石にそれ以上はくどいわよ!」
「そうは仰いますが、姫、それでも用心をすることには意義がございます!
ご自身のお立場をよくお考えになってください!もし貴女様が危険な目に遭うようなことがあったら…」
くどくどと続ける晴人さんと、その言いつけをうんざりとした表情で聞き続ける姫との攻防戦を隣で微笑ましく見ていると、「おい」と翔太に呼ばれた。
「お前も気をつけろよ。いつどこに聖獣が現れてもおかしくねえんだ」
翔太はそっぽを向いたままだった。どうやらまだ怒っているらしい。
「分かってる」とあたしが言えば、翔太は溜め息を吐いた。苛立っているときの翔太の癖だ、高校生の頃から変わらない。
「分かってるんだかどうなんだか」と呟きながら、翔太は胸ポケットから何かを取り出してあたしにその拳を向けた。
「いいか、由良。最優先事項は姫の安全だ。命の危機を感じるような危険な真似はすんなよ」
「うん」
「姫の身を守れよ。お前自身も」
翔太は真っ直ぐな目をしていた。
『姫の身を守れよ。お前自身も』
それって、翔太だけじゃなくて、あたしも、頑張って姫を危険から守れってこと?
わざわざ別れ際に言うほど心配してるってこと?
姫のことを?
モヤモヤした黒い気持ちが心を満たそうとするから、あたしは深呼吸してそれを追い出すと私的な感情は抑えつけた。



