ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】

志文さんは表情、行動こそは冷静でいるよう努めているらしかったけど、どこか焦っているようにも感じた。

彼から手紙を受け取った翔太はその差出人を見て目を見開いた。

「お、おい、これは!」

「翔太様」

するとさらに違う男性がやってきて翔太に呼びかける。

「今度はどうした、カイ」

カイと呼ばれた男性は若かい人物だ。そしてとても慌てた様子で「そ、それが…」と息を切らして肩で上下させんがら「突然、翔太様にお会いしたいという方がお見えになって…」と言った。

「突然だな。その方の名は?」

「そ、それが…」


「私だ」


また別の方向から声がしてそちらを見ると、そこには予想外の人物がいた。


「お、お父様!?」


そこにいたのはお父様、"ガーネット"の現当主だった。

お父さんの後ろには千沙さんも控えていて、あたしを見つけるとにこりと微笑んだ。けれどその笑顔は硬くて、何か嫌な予感がした。


「ど、どうなさったんですか!?」


慌てて駆け寄るけど、お父様はあたしの方は一切見ずに、翔太に向かって「すまない、翔太君。突然押しかけて邸に入らせていただいた」と一礼した。

「いえ、それは構いませんが__」

翔太は冷静さを保とうとしながそう答えた。手紙は握られたままだ。

「少し急な事態があってな。今から少々お時間いいか」

「はい、大丈夫です」

翔太は史文さんと顔を見合わせながら頷いた。