「史上最強の女魔法使いガーネット。産まれたときからその魔力も桁違いだったと聞く」

「魔法石のように莫大な魔力を有する子ども…。ああ、だからガーネット様の名前はガーネットなんだ」

姫はにこりと微笑んだ。

「魔法石は数多あれど、ガーネットという名前で呼ばれる魔法石はこの5つだけですわ」

赤く光る石を陽にかざすと、それはまるで宝石だった。美しくて、けれど同時に怖さも感じる。


「ガーネットと呼ばれるこの5つには、他の魔法石とは比べものにならないほどの莫大な魔力が込められています。この魔力を使えば、きっとあなた方がまた魔力欠乏で倒れることもないでしょう」

それまで黙って聞いていた翔太は「よろしいもですか?」と問うた。

「"ガーネット"の創始者が産まれるよりずっと前から存在していて、歴史的にも存在価値の高い、国宝並みの魔法石。それを今使ってもよろしいのですか?」

翔太の意見はもっともだった。

この魔力を使わなくては立ちゆかないような困難が、この国に訪れるかもしれない。

その時にとっておかないといけないんじゃないかな?

けれど姫は「良いのです」と言った。