ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】

「自分の立場も分かってる。だからむやみに危険な目に遭おうとは思ってない。でも守らなきゃいけないときややらないといけないときはある」

お前だって分かってるだろ、という言葉にあたしは頷くしかなかった。


「でも、嫌だもん」


分かってる、翔太にも守らないといけないものがあること。

あたしが"ガーネット"やそのみんなを守りたいと思うのと同じように、いやきっとそれ以上に、翔太も当主として"サファイア"を守ろうとしていること。

分かってるよ、それはちゃんと分かってるんだよ。

でも、感情が追い付かないんだよ。

ふくれっ面をするあたしに、翔太は優しく語り掛ける。


「そんなに心配すんなって」


そんなこと言われたって、心配するに決まってるじゃん。

それを言おうとしたけれど、それより先に翔太が言う。

「俺を信用してねーの?ほんっとに由良は昔っからあほだよな。どうにか治んねーのかよ」

「別に、あたしはあほじゃないもん」

「あほだよ、お前は」

「だからあほじゃないんだって」

「だからあほだって」

「あほじゃない」

「あほ」

「あほじゃない!」

「あほ」

「だからあほじゃないって言って__」


言ってるでしょ、と言おうとして言えなかった。

翔太がキスで口を塞いだからだ。

口が離れると、「ずるい」と呟いた。