だけど夏鈴ちゃんは首を横に振る。
「あの、ごめんなさい。せっかくだけど帰ります……」
え、もしかしてこれって、警戒されてる感じ?
オレと視線を合わせない夏鈴ちゃん。
「あ、そっかー。それは残念……」
「そ、それから、学校では見かけても声をかけないで下さい」
「……え」
見かけても声をかけないでくれって……。
え、マジで?
そんなにオレの事を拒否するの?
「夏鈴ちゃん、もしかしてさっきの事でまだ怒ってるとか?だから、オレの事そんなに……」
「ち、違うの!……そうじゃないんだけど……」
怒って拒否しているのかと思えば、そうでもなさそう。
必死に否定する夏鈴ちゃんの顔は、今にも泣き出しそうだった。