でも、さすがに小山田君はちょっとなぁ……。


小山田君に失礼かもしれないけれど。


靴を履きかえて、昇降口を飛び出すと別校舎から出て来た、カラフルな頭の人たちが校門に向かっているのが見える。


そこに青葉君がいたらヤバい。


私は素早く校門をすり抜けて、そのまま駅まで走った。


駅までの道は、うちの生徒が結構歩いている。


何人もの生徒を抜かした時だった。



「あれ?夏鈴ちゃん?」


「えっ?!」



名前を呼ばれて、今抜かした人の方を振り返ると、そこに青葉君がいた。


爽やかな笑顔で手をヒラヒラと振っている。


ああああ、しまった。


私より先に青葉君が学校を出ていたのなら、こんなに急がなくても良かったのか……。