放課後になり、私は急いで帰り支度を済ませる。



「あれ?夏鈴が急ぐなんて珍しいね」


「もしかして、彼氏と約束したとか?」



カバンを肩にかけて立ち上がったところで、恭子ちゃんと千絵ちゃんにつかまる。


私はイスを入れて首を横に振った。



「か、彼氏なんていないってば!と、友達との約束があって……」


「えー?夏鈴でも学校帰りに遊ぶような友達いるんだー?」


「じゃあ、うちらとも遊んでよー。今度、小山田紹介してあげるし!」



いやいや、小山田君の紹介はいらないし……。



「ご、ごめんね。またあしたねっ!」



2人に手を振って私は慌てて、教室を飛び出した。


怪しいって思われても仕方がないような態度だったかも。