「あ、店長。お忙しいところすみません。バイト募集の件なんですけど……」
『もしかして夏鈴ちゃん、やっぱり親御さんがバイト続けるのダメだって?』
「あ、違うんです。それは大丈夫なんですけど!」
休み時間。
私は中庭の方に出て、店長に電話してみた。
店長はまだ私の事を心配してくれているようだった。
悪いのは店長じゃなくて、昨日の強盗犯なのに。
「昨日、助けてくれた男の子いたじゃないですか?彼が、私と一緒のシフトに入ってくれるそうなんですよ」
『えーっ?!昨日のあのイケメン男子高生が?!それは、うちとしては助かるけど、さすがに昨日みたいな危ないマネはさせられないな……』
「……彼、この街では有名人らしいですよ。ケンカが物凄い強い事で」
誰に聞かれても困らないけれど、周りを見回して誰もいない事を確認して、声をひそめて言う。