本当に安心できる、龍斗君の手。
この手で私を本当に守ってくれた。
不可能をすべて可能にするかのように。
「……私も、守られてばかりじゃなくて、龍斗君を支えられるような存在になりたい」
「もうなってる」
「えっ?」
私の言葉に龍斗君が静かにうなずいた。
「夏鈴がそばにいてくれるだけで、心があったかい。笑ってくれるだけでオレは幸せを感じてる。だからそのままの夏鈴でいいよ」
そのままの夏鈴で……。
こんな事、今まで言われた事なんてなかったよ。
無理して背伸びする必要はない……って事なのかな?
「龍斗君、ありがとう」
「何で?礼なんていらないし。それなら、オレの方こそありがとう。オレを好きになってくれて」
龍斗君の笑顔に私は首を横に振る。
私の方こそありがとう。
私を心から大切に想ってくれて……。