突然の事で、私は放心して立ち尽くしていた。
あの2人がやった証拠なんてどこにもない。
笑っているだけで、犯人と決めつけるわけにもいかない。
上靴も真っ赤だから、私は仕方なく事務室へ行ってスリッパを借りる事に。
ペタペタと歩きながら、私はため息をつく。
龍斗君は、何かされたら言ってくれればすぐに助けに行くって言ってくれたけれど、こんな事言えないよ。
だって、彼がここに入れるわけないし、何よりこんな小さな事で来てもらうのは情けないと思う。
自分で何とかするようにしないと。
龍斗君に頼ってばかりだと、そのうち嫌われちゃいそうで怖いし……。
そんな事を考えながら教室に入る。
みんな、スリッパをはいている私を不思議そうに見ながらも、普通に挨拶をしてくれた。