「で、思い出したのかよ?」
「思い出せないからいいって。直接聞けばいいから」
ファミレスで注文した後、響ちゃんと夏鈴は一緒にドリンクバーへと行ってしまった。
オレの正面に座っている朱雀は、納得いかないような顔で首をひねる。
このやり取りは、帰りのHR前までさかのぼる……。
「は?ストーカー野郎をあぶりだす?」
テストが終わって、帰りの支度をしている最中、オレは朱雀に話した。
朱雀は驚いた声で聞き返してくる。
「ああ。明日から夏鈴はバイトだからな。また不安な日々を過ごすのも見てらんねーし」
「まあ、そうだけどよ」
「それにあの野郎、どっかで見た事あんだよな」
「それはアレだろ?コンビニのトイレを必ず借りる、トイレ野郎だからじゃねーの?」
朱雀の言葉に首をかしげる。
いやー、それだけじゃねーんだよな。