「本当に、大丈夫だから。お疲れ様でした!」


「あ、夏鈴ちゃん。テスト勉強の事だけど……」



慌てて駆け出そうとした時、青葉君が言った。


そうだ、テスト勉強しようって誘われたんだっけ……。


ピタッと立ち止まり、彼の方を振り返った。



「あの、ごめんなさい。ひとりでやります!響と天堂君に謝っといてください……!」



そう返事をして私は頭を下げた。


クルッと彼に背を向けて走り出す。


走りながら、涙が出て来た。


泣きながら走ってるなんて、どれだけ恥ずかしいんだろう?


そう思って、何とか歯を食いしばって止めようとするのに止まらない。


ダメだ、私……。


泣くほど、青葉君の事が好きなんだって、気づいてしまった。


好きになっても仕方がないっていうのに……。