「今日はここまで。それじゃ、この前のレポートの課題を日直が集めて持ってきてくれ。今日の日直は……柚原か。柚原、よろしくな」
「あ、はい!」
地理の授業が終わり、先生が私を見て言った。
先生が教室を出て行くと、レポートを持って私のところに人が集まってくる。
ひとりひとりのを丁寧に受け取った。
その流れが途切れた時、自分のも上に載せる。
レポートの数を数えると、2つ足りない。
誰が出していないのかは明白。
恭子ちゃんと千絵ちゃんだ。
授業が終わって、2人は楽しそうに話をしていてレポートを出しに来る気配はない。
休み時間内に持って行かないと、私はこのレポートを抱えたまま次の授業を受けなきゃならなくなる。
私は立ち上がって、2人の元へと歩み寄った。