「龍斗、あんまり無茶しないでよ?」


「うん、わかってる」



オレの答えに響ちゃんは笑顔でうなずいた。


驚いただろうな、オレのあんなのを見て。


オレと朱雀がケンカしたのも間近で見て驚いただろうな……。


殴り合い……っていうか、オレが一方的に朱雀にやられた形か。


それを止める事も怖かっただろうに。


朱雀はどうでも、響ちゃんには悪かったな……。


カラカラパタンッという保健室のドアが閉まる音が聞こえた後、オレは目を閉じた。



「オレは、キミの事が好きだよ……」



目を輝かせ、頬を紅潮させながらプリンの話を楽しそうにしていた、夏鈴ちゃんを思い浮かべながらオレはつぶやいた。


この気持ちにウソはないから。


キミが信用してくれるようになるまで、オレは伝え続けるから。




今度は、自分に言い訳して逃げたりしない。