こ、この状況って、かなりキケンな気がするんですがっ!


私は唇をかみながら両手をあげる。


身動きがとれないよ……。


自由に動くのは目だけっていう、かなり悲惨な状況だと思う。


……っていうか、動きたくても動けないと言った方が正解なんですけど。



「いいか?動くなよ?少しでも動けば、ぶっ殺す!」



目の前にいる男の人が低い声で、そう言いながら私にナイフを向けた。


フードを目深にかぶり、マスクとサングラスといういかにも怪しい姿の男の人。


ナイフを向けられ、私はコクコクと何度もうなずいた。



「よし。じゃあ、ここに金を入れろ!」



男の人は持っていた布バックをカウンターの上に放り投げるように置いた。



だ、誰か助けて下さい……っ!