これは絶対に恋じゃない




「…うん、ありがとう。お互い頑張ろうね」


自分が言った言葉がなんだか、別れの挨拶のように感じ、なんとも言えない気持ちが心の中で渦巻く。



「……」


「……」



テクテクと、それ以上、何も喋ることなく歩く私と悠希。


私の少し前を歩く彼の背中を見て、そっと視線を空に移した。


まだ、少し明るいが、だいぶ日も傾き、遠くの空は暗くなってきている。


…そういえば、“あの時”の空はもっと明るかったなぁ


ふと、悠希が夕暮れの中、私の家の前で佇んでいたことを思い出し、クスリと、笑みがこぼれた。


自分の気持ちを素直に言葉にして伝えてくれた彼。


…ねぇ、今度は、私から素直に思っていることを伝える番じゃない?



そう考えた途端、



「…悠希、私、悠希のこと好き」



ポツリと、呟くように漏れた小さな声。



前を歩く悠希にも届いたのか、彼は、ピタリと、立ち止まった。