低い不機嫌そうな声が渡り廊下に響く。
私も御池くんも、思わず声のする方に視線を向けた。
そこには…
ジッと真っ直ぐに私たちを見つめる悠希の姿が見える。
「んだよ、悠希じゃん。ビビらせんなよー。一瞬、先生かと思ってマジ焦った」
「…凛、加恵に聞いたら、どっか行ったって言うからめっちゃ、探したんだけど…」
と、御池くんの言葉を無視して悠希は、私に話しかけた。
「え、あ、ゴメン。御池くんにちょっと借りてたものがあって返してて」
いつもと違う悠希の雰囲気に、私は少しどもってしまう。
「って、おい!なんで、無視!?」
「…凛、戻ろう。加恵も待ってる」
「う、うん」



