「お前なぁ…あきらめ早くね?」



「だって、遅れるもんはしかたねーだろ?別にサボるわけじゃないし」



…あ、やっぱり悠希だ



廊下の窓からチラリと見えた彼の姿に自然と頬が緩む。


少しダルそうに歩く悠希を、目で追った。



…さすがに、こっち見ないか




そのまま、私のクラスの前を通り過ぎようとした時、



突然、悠希がクルリと振り返り、私のほうに視線を向ける。



…!?



予想外の行動に、思わず、目を見開いた。



そして、



…え?



パチッと、視線が絡み合った瞬間、



口パクで何かを伝えてくる。