これは絶対に恋じゃない



思わず、パッと、視線を反らし、私は言葉を紡ぐ。



「…へぇ?ま、三枝ちゃんがそう思いたいならそれでもいいけどさ。あ、1つ良いこと教えてあげる」



…良いこと?



「…何?」



意外にも、あっさりと、悠希の話題から方向転換した御池くんは、私に向かってチョイチョイと、手招きをした。



若干、警戒しつつもおそるおそる、私は、御池くんに向かって近づく。



その時、私の耳元でコッソリと、




「…はやく素直になんなきゃ、礼にとられるかもよ?」



…!?



小さな声で呟いた彼。



そして、


驚いて目を見開く私に、



「んじゃ、オレも真面目に授業受けてこよっかな。あ、三枝ちゃん、屋上の鍵は、後でオレのところに届けに来てねー!」



と、言うやいなや、サッサと、その場を後にする。