でも、ホッとしたのも束の間、
「…で、三枝ちゃんは、なーんで、そんな大事な用事を忘れて、旧校舎の廊下のすみでコソコソ、中の様子を伺ってたのかなー?」
ニコリと、可愛らしい笑みを浮かべ、御池くんは、私に問いかける。
それは、まるで小さな子どもがおもしろいオモチャを見つけた時のような屈託のない笑顔。
…この人、絶対この状況を楽しんでるよね
そう思い、私は、苦笑いを浮かべた。
そして、
「…あ、ちょっと、声が聞こえたから誰かいるのかなーって、好奇心みたいな?」
と、当たり障りのない返答をする。
…最初は、本当に好奇心からだったし、嘘じゃないもんね
すると、
「ふーん?好奇心…ね、」
少し、呆れたように、御池くんはポツリと呟いた。
「そういえば、今日の昼休み、悠希と一緒にいなかったよね?……なんで?」
予想外な質問に思わず、視線を彼に合わせる私。
「だって、最近、有名だよー?ここ1ヶ月くらい悠希が昼休み、ずーっと、三枝ちゃんたちと一緒にいるって。なのに、今日たまたま教室の前通ったら、悠希の姿ないしさ」
「別に…いつも一緒ってわけじゃないし」



