「…悪いけど…オレはパス。今、彼女とかつくる気ないし」
「…ふーん、じゃあ、オレ…狙っちゃおっかな~。後悔しても譲らないよ?」
広瀬は、まるで挑発するように言葉を紡ぐ。
…なんか、広瀬…今日、イキイキしてんな。
いつも、どちらかといえばクールな印象の広瀬からは考えられない。
「…勝手にしろよ。興味ねーし。じゃあな」
「……はいはい。わかった。じゃあ、勝手にするわ」
そのまま広瀬からの電話を切った。
ーー…
きっと、ただ、単に広瀬の気まぐれで電話したのだろうと、そう思っていた。
だから、まさか、広瀬が言ってた女の子が凛のことだなんて…。
この時のオレは、考えもしていなかったんだ。
広瀬からの電話~CALL 1~*END*