これは絶対に恋じゃない




そんな声が後ろから聞こえてきて、私はパッと、振り返る。


「…あれ?プリント提出しにいったんじゃ…」



「徹にまかせた。2人で行くような用事でもないしな」



振り返った先には、今し方、教室で別れた悠希の姿があった。




…さっきのこともあるし…この人と、2人きりはなんかダメな気がする!




直感的にそう思い、




「そ、そうなんだ…じゃあ、私、帰るね…バイバイ」




と、早めに会話を終わらせようとした時。




「…なー、凛って加恵と仲良いんだろ?」



ピタリ



突然、彼の口から予想外の名前が飛び出し、思わず立ち止まってしまう私。




「…加恵って、本庄加恵のこと…知り合いなの?」



「ん?まー、知り合いっていうか俗に言う“幼なじみ”ってやつかな?」