これは絶対に恋じゃない





「広瀬くん、なんか、さっきまでと性格違う…」



「そ?オレ、結構、凛ちゃんの前では、大人の優しい男性演じてたところあるからなぁ。古谷さんには飲み会の時にすぐバレちゃったみたいだけど」


悪びれもなく、ケラケラ楽しそうに笑う彼は、なんだかイキイキしてみえる。


舞香が前に言ってた本性って…こういうところだったのね


と、昔を思い出し、私は曖昧に微笑んだ。



「さて、と、それじゃあ、オレも凛ちゃんにフラレちゃったわけだし、そろそろ行こうかな。あ、ここのお代はオレに奢らせて?最後くらいカッコつけたいしさ」


テーブル横の料金表をとり、広瀬くんは、席を立つ。


「…広瀬くん、ありがとう、好きって言ってくれたこと、嬉しかった」


「…悠希と、上手くいくといいね」



最後にそれだけ言うと、クルリと踵を返し、レジに向かう広瀬くんの後ろ姿を私は見つめた。