これは絶対に恋じゃない




話をそらそうと、わざと、冗談まじりに話す私。



そして、



「ほら、プリント書き終わった!私が先生の机に置いとくから、御池くんたち、先に帰って大丈夫だよ?」



サッと、机の上のプリントの空白部分を埋め、彼らの前に見せながら私はそう言った。



「え、悪いよ。オレと悠希で出しとくから三枝ちゃん、先帰んなよ?もう、結構時間遅いし」



御池くんの言葉に、ちらりと、教室にある時計に目を向ける。



…もうすぐ18時。



「…あ、じゃあ、お言葉に甘えようかな。2人ともありがとう」




「…いえいえ。てか、プリント書いたのなんだかんだ三枝ちゃんなんだし、提出するくらいやっとくから。な、悠希?」



「…あぁ」



ニコニコ、優しい笑みを浮かべる御池くんとは、対照的に、少し不機嫌そうに言葉を発する悠希。



でも、


「じゃあ!2人とも。また、委員会でね!」



気づかないフリをして、軽く微笑みかけると私は教室を後にする。