終始、ニコニコと、笑顔を崩さない加恵につい、私はしどろもどろになってしまう。
だって、加恵がこういう風に楽しそうな時って、何か裏があるからだということは、中学時代に嫌というほど体験したし。
「どの人??あの中にいたの?てか、凛がLINE教えるってことは、多少はその人のこと気に入ってるってことでしょー、気になるわ」
「確かに…あの中にはいたけど…、LINEは私から教えたんじゃなくて友達から聞いたって言ってるし…」
「でも、返信してるってことは嫌な気はしてないんだ?」
「……」
…うっ
的確な返しに、圧倒されてしまい、少し言葉に詰まった。
昔から、他人のことに関して、かなり鋭い加恵。
でも、まぁ、自分のこととなると、急に鈍感なんだけどね。
中学時代、加恵のことが好きな男子が気持ちに全然気づいてもらえず、撃沈してきたのを思い出した。



