これは絶対に恋じゃない




「あ、もちろん…無理にって感じじゃないからね?ちょっと顔出すだけでもいいしさ」


私が迷っているのを感じとったのか、加恵がそう言葉を紡ぐ。



「…ありがとう。行けそうなら、加恵に連絡するね」


「…っうん!連絡待ってる」



そっと視線を加恵に向けると、少しだけ彼女の瞳が潤んでいるように見えた。



きっと、加恵は私に会えたこと心の底から喜んでくれている



素直にそう思えた。




ねぇ。加恵?


もし、あの時…私が加恵に悠希とのことを話していたとしたら…。

私たちの関係…どうなってた?


私の選択、間違ってたの…かな?



柔らかい笑みを浮かべる彼女を見つめながら私はそんなことを考える。




…ほんと、あんな真実さえ知らなければ、よかったのに…