これは絶対に恋じゃない




「なんか意外だな~。凜ちゃんならケンカの理由を礼にきいてくると思ってたのにー…何で?気にならないの?」


クスクスと、可愛らしく笑いながら礼ちゃんは言葉を紡ぐ。


「…それは、気になるけど…。加恵が今は話したくないみたいだったから」



「そうなんだぁー。凜ちゃんって本当に友達思いなんだね。でも、加恵ちゃんの方はどうかな~?」



「…え?どういう意味…?」



意味深な礼ちゃんの言葉に思わず私は聞き返してしまう。



「ふふ。礼は、加恵ちゃんの秘密知ってるんだよ~。凜ちゃんにはナイショのね」



…私には内緒の秘密?



驚いた表情の私を見て、礼ちゃんは楽しそうに口角をあげた。



そして、


「まぁ、凜ちゃんは礼からは聞きたくないみたいだから、加恵ちゃん本人に聞いてみてぇ?じゃあ、礼もそろそろ帰ろーっと!」



と、言って私を残し、軽やかな足取りで教室を後にする。

 



何なの一体…私には言えない加恵の秘密って…?



ぐるぐると巡るそんな考えに捕らわれて、誰もいなくなった教室で私は1人、立ち尽くすことしかできなかった。