これは絶対に恋じゃない



加恵…大丈夫かな?



心の隅でそんな思いが巡る中、私は教室に足を踏み入れる。


すると、


「あ、凜ちゃん。お帰り~」


「…礼ちゃん」


そこには、教卓の前の机に腰掛けて、微笑む礼ちゃんの姿があった。


先ほどの加恵と打って変わって、何事もなかったかのように笑顔で話しかけてくる彼女に少し目を見張る。



『加恵とケンカしたんでしょ?』

『何があったの?』


いろいろと聞きたいことはあったが、加恵がいない場所で礼ちゃんに理由を聞くのもなんだか気が引けた。



だから、 



「…あ、じゃあ、礼ちゃん。私…そろそろ帰るね?」



それだけ告げ、カバンを持って、教室を後にしようとした。


その時、



「…ふーん?何も聞かないんだ?」



唐突に礼ちゃんの口からそんな言葉がこぼれた。